ふつうに良かった映画


ブログを放置していても、アクセス数には特に変化がない。だが記事を書くと、大抵明らかにグラフが凹みだす。また放置すると持ち直す。一体なんなんだこの現象。

というのはさておき、はてなブログのお題、「ふつうに良かった映画」について書いてみる。アクセスが下がってもふつうに気にしないし。全然気にしてないし。

 

ダーウィン・アワード

ダーウィン・アワード [DVD]


愚かな死に方をした人に対して、劣った遺伝子を自ら淘汰した功績として贈られるネット上の賞、ダーウィン賞を題材とした作品。
ダーウィン賞をとった彼らの「死にざま」が、不謹慎ながらとにかく面白い&ほんの少しあこがれる。
ただダーウィン賞に関するエピソードが非常に面白いのに対して、主役&ヒロインのストーリーが中途半端だったようにも思う。ブラックコメディ映画の佳作。


ダーウィン・アワード【予告編】 - YouTube

ごちゃごちゃ書くよりも予告編を見てもらった方が早いタイプの作品。


木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

木更津キャッツアイワールドシリーズ 通常版 [DVD]


ドラマの方はちゃんと見ておらず、再放送の際にとびとびで見た程度(映画1作目は見た)。
それでも脱モラトリアム映画として個人的には面白かった。

余命半年と言われながらもなんだかんだと生きてきた主人公とその地元仲間たち。彼らが織りなす永遠に続くかのようなモラトリアム的日常。
それを本作では非常にばっさりと終わらせている。例えるなら、けいおんのキャラクターが映画版でOLになったり結婚したりするようなものだ(違う)。
まず冒頭で主人公が死んでいる。死ぬ死ぬと言われつつも死なない、というのがもはや持ちネタのようになっていたのを、あっさりと死なせてしまう。
しかしそこは主人公、フィールドオブドリームスのしょうもないパロディによって蘇るのだが、その間には3年という月日が流れていた。
3年間で、何もかもは変わった。ニートが働きだしたり、まともに喋らない、何をやっているのかも良く分からなかった謎のキャラクターが流暢に喋る自衛官になっていたり。
それぞれモラトリアムを脱して在り方を変えた仲間たちと、3年前の空間に居たままの主人公。たとえ生き返ったとしても、どうしたって前のようにはいかない。埋められない齟齬がある。死者はやはりそこにいるべきではない人間であるという事に、3年前に言えなかった別れを今こそ伝えるべきだという事に、皆は気付いていく。
青春との別れをテーマとした1本の映画として、なかなか胸にくるものがあった。たださすがに、元シリーズを全く知らない状態で観るのは厳しいかもしれない。

 

山形スクリーム

山形スクリーム(2枚組) [DVD]


こ、個人的には結構面白かったんだけどどうかな…?と恐る恐る差し出してみたい一作。
邦画らしいゆるいコメディと、落ち武者による和風ゾンビが組み合わさったホラーコメディの珍作だ。監督は竹中直人
ゴア描写こそないものの、ゆるい割には容赦なくゾンビ映画として展開していく所が個人的に気に入っている。
ゆるーい雰囲気で温水洋一だの竹中直人だの生瀬勝久だのの豪華キャスト(邦画で豪華キャストがゾンビもの、というのもちぐはぐ感があって楽しい)がしょうもないギャグシーンを披露していく一方、容赦なく人が死んでゾンビ化していく。

このよくわからないハーモニーがなかなかの味を出している。
主人公の女子高生4人もテンプレ気味ながらも分かりやすくキャラが立っていて、ちゃんと「死んでほしくない」と思わせる。ホラー映画的に、ここは重要だ。
ゾンビ映画の課題、「ゾンビ化事態にどうオチをつけるか」もちょっと他ではみられない結末をつけているので、ゾンビ映画ファンでまだ見ていなければ騙されたと思って観てみてほしい。
騙されるかもしれないけど。コメディ映画として観ると完全に騙されるのでそれはやめよう。

 

AAAH! ゾンビーズ!! 俺タチだって生きている

AAAH! ゾンビーズ!! (俺タチだって生きている) [DVD]


普通におもしろい。過度な期待は厳禁。「ショーン以来」という謳い文句は見なかった事にするのが業界の常識である。
若者4人が軍のトラックから流れ出た謎の液体入りソフトクリームを食べてゾンビ化、という実家のような安心感のある導入からスタート。
ただこの作品が一味違うのはここからで、ゾンビ化した4人は、自分たちの異変に気づいていないのだ。お互いの姿は普通の人間として見えている。
しかし電話をかけるとわけのわからない音声が聞こえてくるし、外に出ればなんと人が襲ってくる。どう考えてもおかしい、正常なのは自分たちだけだ、僕達でなんとかしなくては…!
と、「彼ら」の視点が描かれていく。普通の人から見れば彼らがゾンビで、当然攻撃だってする。だが彼らからみれば、向こうが凶暴化した怪物のように見えるのだ。
(どうでもいいが、「人間」の声(聞き取れない不快な高音)の雰囲気も相まって、「沙耶の唄」というエロゲをちょっと思い出す)

彼ら目線に映るのは、青春まっさかりの男女4人(と軍人のおっさん一人)。だけど一旦人間目線に移れば、そこにいるのは不気味なゾンビ。
視点の違いによる見える世界の違い、という設定を活かしたすれ違いの面白さと、その真実に辿り着いてしまう悲哀が描き出されていく。
ちなみに彼ら目線はモノクロで、人間目線になるとカラーになる。
モノクロで男女の青春ラブストリーが描かれた後に、不気味なゾンビのうごめきが色鮮やかに写しだされ、夢が覚めたように現実に引き戻されるという演出が悪趣味で良い。

だが悲しいかな途中でちょっとだれてくる。ラストももうちょっと捻りが効いていたら…と思わずにはいられない。
しかしこうきたか!という演出の良さ&場面で切り取ればかなり良いシーンが結構あるので、ゾンビ好きなら見て損はしないと思う。特に好きでないなら見なくても損はしない。


という事で、「ふつうに良かった」映画を4本選んでみた。「ふつうに」って人によって意味の解釈が違うけど、これで良かったのだろうか。
ふつうに良かったよ、ふつうに。