「ブログ」に対する評価への違和感とその理由

はてなを始めて以来、ブコメを見て「お、おぅ…」という気分になる事がよくある。
ブログ(自分のブログではなく、他の人の)へのキツめのコメントが思った以上に多くて、正直ちょっと戸惑うのだ。

喧嘩腰で何かを批判していたり、政治や社会へのラディカルな問題提起をしていたり、という記事に厳しい意見が来るのはまあ分かる。

だがそうでもない、「おすすめ漫画〇選」だとか、日常に関して考えたエッセイ的な記事だとかにも、なかなかにキツイ意見が来ていてちょっと驚いてしまうのだ。
「○○が入ってないって時点で程度が知れる、やり直し」「無駄に長いだけで何が言いたいのか全く伝わらない」、的な。*1
そうしたコメントを見る度に、いやそこまで厳しく言わんでもええがな、と思ってしまう。
「SF漫画の系譜」みたいな新書があったとして、そこに諸星大二郎が入っていなくてなんだコノヤロー、と言うなら分かる。
だが別にブログなら、その人が趣味で、その人の好きな物を挙げてるだけなんだからそれでよくね?と思ったりする。エッセイ的な記事も、その人が徒然なるままに書いてるだけなのだから、そんなに分かりやすさを求めないでも…と思う。

だがふと思ったのだ。
そんな風に思うのは、自分の「ブログ」そのものに対する目と、厳しくコメントをする人の「ブログ」への目にズレがあるからでは?と。
私のブログのイメージは多分10年前位で止まっている。
その日あった事や考えた事をぽちぽちネットにアップして、基本自己満足ながらもアクセスや、たまにコメントなどが来て嬉しい。そんなイメージがずっと留まっているのだ。
なので私はブログというものを、完全なアマチュア、趣味の世界の産物だと捉えている。
だが今はアルファブロガーだとかサードブロガーだとか、マネタイズだとか色々ある訳で、当然自分とは違うイメージを持つ人はたくさんいるだろう。
もはやブログは完全な趣味の世界ではなく、一部セミプロ的な扱いをされているのかもしれない。

ブログとイラスト投稿の状況は、少し似ている。
pixiv等のSNSに、イラストを投稿する。それは基本的に趣味の世界なのだが、今世間ではほとんどプロ並みに上手い人がたくさんいる。
そういう人たちには、ブックマークや評価などのフィードバックが大量に来る。
だがそのフィードバックの中には、アマチュアであるにも関わらず「デッサンが狂ってる」などのプロに対するような厳しい評価があったりする。
代わりに、と言っていいのか分からないが、中にはプロとしてイラストの仕事を受けるようになる人もいる。また同人誌で収入を得る人もいる。  

ブログも今、これに近い状況なのだろう。文章を書くのが上手い人がたくさん出てきて、書籍化やライターの仕事を受ける人が出てくる。
中にはアフィリエイトで多くの収入を得る人もいる。プロとアマの境目が曖昧になって、評価の目も厳しくなる。

何を今更感があるが、自分の中での「なんでそんなに厳しいのん…?」という疑問の一部が氷解して、ちょっとすっきりした。
私自身はこれまで通り、完全なアマチュアとして自分にも他人にも「趣味」目線でやっていこうと思う。
そもそも自分自身のブログに関して言えば無縁な話である。有象無象の素人丸出しの絵に対して、「デッサン狂ってんぞコラ」という人はあまりいない。(「コラ」と言われる事も覚悟して書いてはいるが)
ただ自分とは「ブログ」に対する目線が違う人もいる、というのは頭に留めておこうと思った。

*1:コメントはイメージ。以下もふくめて、特定のコメントについて書いている訳ではない