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男子小学生はアゲハ蝶の夢を見るか

考え方・雑記

バイト先に、占いやパワースポットが好きな後輩男子がいる。
国立大に通う理系の学生で、おっとりとした優しい雰囲気の20歳だ。
以前占い系の話を聞いた時に「〇〇さん、こういうの詳しいですよね」と何気なく言ったところ、「すみません気持ち悪いですよね」と萎縮したように言われてしまった。
以前も冗談交じりに「男でこういうの好きってアレですよね」というような事を言っていた事があり、少し引け目を感じているらしい。
占いの世界は良く分からないが、知らないジャンルの話を聞くのは面白いし、趣味に男も女も無い。男が占いにハマっていても、女がボディビルに打ち込んでいても、まぁなんでもいいと思う。当然「気持ち悪い」に対しては否定した。

このことについてなんとなく母について話した時、以下のような話を聞いた。

母が以前勤めていた所では、夏休みに昆虫のカードを配っていたそうだ。そこではカブト、クワガタ、アゲハ蝶の3種類を配っていて、それを子供に選んでもらう。
その時、アゲハを選ぶ男の子が結構いるのだそうだ。

「これ」。男の子はアゲハを指さす。だがそれを見ると、大抵の親は嫌な顔をするらしい。「カブトでしょ?」「こっちにしたらどうだ?」と、カードを変えさせる事もよくある。

そして10人に1人程、アゲハをもらって喜ぶ男の子に「良かったね」と笑顔で接する親がいるのだそうだ。

もちろんこれは母の目に映ったものであり、バイアスがかかっている可能性は十分あると思う。だがたとえ少数でも、「カブトでしょ?」と自分の好きなものを曲げられる子がいるのだとしたら、憂鬱な気分になる。
これはほんの些細な事だ。だがその些細な事が積み重なって、少しずつ少しずつ、矯正させられていくのではないだろうか。

今現在、女の子らしさの押し付けに抵抗を覚える人は多いと思う。ディズニープリンセスだって安易に王子様とはキスしない時代だ。(もちろん今でも押し付けに傷つく子だっているだろうけど)
だが男の子らしさの押し付けは、それに比べてどうか。
ネットやフェミニズムに関する学術的な場では、きっと大いに議論されてはいるのだろう。だがそれが私の住むような地方都市にまで届いているかというと、全っ然そんな事はないと思うのだ。

バイト先の後輩は本当におっとりとしており、彼のようなタイプが声を上げる事は想像しづらい。だが内心ひっそりと、微かな引け目を感じている人や、子供の頃の性質を曲げられてしまった人はたくさんいるのではないか。
じゃあ自分はどうするのか?と考えるとまぁ何もしないのだが、万が一自分に子供が出来た時、「カブト」を押し付けるような親にはなりたくないと思う。